育休ino-9からの→学童保育【いのまん】起業に向けて

男性の育児休暇についての経験を書くという名のほぼ育児日記 から夢を叶えるための日記へ

育児休暇終了まで20日

小説風に散歩(3/12)

天気。晴れ。気温。暖かめ。風。微弱。夕方から雨。そんな予報を感じさせない穏やかな気候。時が満ち、拠点を後にし、散歩へと向かう。

お兄ちゃん。調子が上がらず甘えたモード。妹。いつも通り大胆不敵な態度。下した判断。お兄ちゃんを抱っこ。妹をベビーカー。(母。拠点(家)に残りご飯の支度)出来る限りの盤石布陣。

方角。東へ歩き出す。信号はタイミングよく青。人影のない住宅街を抜ける。猫が挨拶をしてくる。「おぬしら目的もなく、どこへ行く?」「人生と同じ、気の向くままさ」そう答える息子。

いつもと一本、違う道を曲がる。この判断。適切か否か。答えは神のみぞシル。変わらぬ住宅街。ゆがまない時空。しかし、その先には見たこともない公園。まさか。この辺りは歩き尽くした。知り尽くした。そう思い込んでいた。しかし、まだあった。知らない公園が。おどろいた。まだ、未開の地が残っていたことに。ないがしろにしていた。無知の知。自分の驕りに気付く。しかし、それと同時に気付く。胸の高鳴り。エッセンシャル。新天地を前にして、腕から抜け出し、走り出す息子。菩薩のように微笑む娘。平穏無事な日常に大きな風穴を開ける出来事。見渡す限りの芝。広大な砂場。黄色いシーソー。天へとのびるすべり台。歴史あるブランコ。それらが集まって織りなす空間。その名は「公園」。

手招きされるかのように、次々に遊具へ手繰り寄せられる息子。楽しい。その心。我思う、ゆえに我ありと同義。遊ぶ。今までの抱っこが偽りだったかのように。走る。登る。滑る。跳ぶ。しかし腹が減っては戦もできぬ。人は空腹には勝てない。作戦コード。一時帰宅。

飛び出し。車に厳重警戒。少し歩いた先。帰りを阻む上り坂。父、片手ベビーカー。厳しめ。息子。存在位置を腕から地面へ下方修正。一時徒歩を強要。無事、坂を登りきる。その途端、息子からの「抱っこ(して)」父「このまま歩かないの?」「抱っこの道やから」間髪入れずの即答。その勢い。まるで新幹線の如く。お兄ちゃんを抱っこ。妹をベビーカー。歴史は繰り返される。再び盤石の布陣。

帰り道。デジャブ。はたまたループ。同じ場所に同じ猫。「おぬしら目的もなく、どこへ行く?」「目的ができた。ぼくらには帰るべき場所があったんだ」そう答える息子。そう。今のぼくらには、帰る場所がある。待ってくれている人がいる。

天気。晴れ。気温。暖かめ。風。微弱。夕方から雨。そんな予報を感じさせない穏やかな気候の、昼下がり。世界は未知に満ちていた。